研究活動の目的
BBQプロフェッサーさかきの活動の原点は”BBQの基礎研究”です。
BBQ文化の研究普及活動のため、BBQの基礎研究活動を行っています。BBQの技術はもちろん、BBQの歴史や、文化人類学の側面からも科学的に研究しています。
人類が火を使い始めた10万年前からの直火焼き料理の変遷を紐解き、また日本の直火焼き料理を片っ端から食べ歩き、郷土史を研究することで、現代のBBQの在り方そのものの価値や魅力を見つめ直し、体系立て取りまとめています。
日本の直火焼の歴史を紐解けば、意外にも世界のBBQ文化とつながることも多く、様々な角度からBBQの研究が可能になります。
また直火焼き料理だけでなく、郷土料理全般を研究することで、直火焼き料理の在り方を浮き彫りにし、人々と直火焼き料理の関りを深く掘り下げています。
これらの研究結果は、BBQセミナー(BBQ MASTER’S ACADEMY/BBQ CHEF’S ACADEMY)やBBQケータリングに活かし、より深く、アカデミックなBBQの魅力を発信しています。
また、炭火焼を中心に、ガス焼きや鉄板焼き、さらには鍋調理などの調理についての科学的研究を行い、また世界と日本の料理文化の関りを歴史的、地理的に研究することで、科学的に裏付けされたBBQの技術や知識を発信しています。
世界のBBQ
世界各国には独自に発展してきたBBQがあります。BBQは基本的には「直火焼き調理法」であり、それは世界各地で原始から続く調理法です。BBQという言葉の誕生以降、言葉が世界中に広がり、それぞれ独自のスタイルで育まれてきた調理法です。
世界のほとんどの地域で「バーベキュー」と言えば通じます。スペイン語圏のみ「バルバッコア」と表現しますが、それでもバーベキューは世界共通の言葉です。
BBQ=アメリカというイメージがありますが、もちろんアメリカではBBQは国民食とも言うべき料理ですが、それをもって”BBQの聖地”と称するは早計です。
日本のBBQ
「🔗和~べきゅー歴史文化研究」ページにてご案内しております。
BBQの起源
人類は火を発見し、火によって「焼く」という調理法を覚えた。そして、その調理法に「バーベキュー」という名が付いたのは、1492年のコロンブスによる新大陸発見以降のことだった。
カリブ海西インド諸島のハイディ島に住むタイノ族が「バルバコア(Barbacòa)」という言葉を使っていた。これは立てた支柱の上に台を付けた寝床の構造そのものを指す言葉だった。南米北東部で使われていたアワラック語では、そんな構造をした家のことを「バルブコア(barbucoa)」と呼んでいた。
これらカリブ海諸島全域で”格子組み構造物”を指す言葉は、スペイン人に「barbacoa」と書き取られ、さらにその上で食材を焼いたり、干したりすることにも、その言葉が使われるようになった。
その後「バルバコア(barbacòa)」はグリル料理を意味するスペイン語「バルバコア(barbacoa)」に変化し、それが「バーベキュー(barbecue)」という英語になっていく。
カリブ海からスペインへと渡り、晴れて英語となった「バーベキュー(barbecue)」という言葉はアメリカへと渡っていく。そして16世紀全般には”枠組みの上で焼いた肉”の意味から”野外パーティー”の意味へと変化し使われるようになった。
17世紀のアメリカ・ヴァージニア植民地で、今日のバーベキューの原型が誕生したという説もあるが、いずれにしても17~18世紀前半が、現代BBQの創成期であったことは間違いない。
※「Premium BBQ」著者:榊幸治著、発行:三栄書房、2012年10月21日発行”より抜粋
時代に埋もれたBBQ
現代社会において、野外でのBBQ以外に、日常的に”直火焼き料理”を口にする機会はありますか?
実は、家庭内の調理機器の発展や調理法の進化により直火焼き料理は時代の波に埋もれて行っているのです。
焼鳥屋さん、焼肉屋さん、炉端焼き屋さんなどでの食事機会としては今なお存続していますが…。
人類の調理法は、直火焼き→炊く→焼く→揚げる→チン!と変遷してきました。特に現代では、直火焼き以外の調理法が基本で、”家”の構造の変化にも大きく起因しますが、すっかり身近な調理法ではなくなりました。
また、”焼くだけ”という単純さが余計に埋もれさせてしまいます。
実はこの”焼き方”こそが伝承されるべき技術なのですが、特に日本では”誰でも””簡単に””美味しく”、そして現代的調理器具を活かすことが”先進””おしゃれ”とされてきた結果、この”焼き”の技術が継承されず取り残されてしまったのです。
これほどシンプルなのに奥の深い”焼き”の技術と、その土地土地の自然の恵みとの調和を再度見直すこと。
BBQを通じて日本の豊かな食文化の掘り起こしを図っていきたく思います。